SAA7130-TVPCI のキャプチャ設定
キャプチャ設定を追い込んで見ました。GNBの館さんの説明そのままの方法でやってみます。
AviUtl0.98dとGNBさんの波形表示プラグインを使います。
長い前置き。
色調整する場合、基準となるカラーバーを出力する機器がほんとに正確に色を再現してくれてるてのかどうかが最重要になります。
PCでカラーバーを完璧に作成し、それを何かでアナログ出力しても、ほんとに正確に出力してるのかどうかが不明です。
例え、キャプチャして調べたとしても、そもそもこれから調整しようというキャプチャボードを信用するわけにいきません。
例) A+B=8 AとBの正確な値を求めなさい。・・・これだけではどうあがいても無理です。
AかBかどちらかの数値がわからなければ解は得られませんね。
という訳で、出力する側か、それを受ける側、どちらかに絶対的な信用のおける機材が必要になります。
定期的に検査を受け、きっちり調整されてるパターンジェネレータが理想的です。
しかし、3980円のキャプチャボードの為にパターンジェネレータを買おうなどと、考える人はいても実行する人はいないでしょう。面白いですが。
そんな物買えるわけないので他を探します。
そう言えばTVの調整用にBSDのBS-jのカラーバーをEP-V100でHDDに録画してました。
うむ。それを使おうかと考えましたが、Y/Cb/Crじゃなくて、Y/Pb/Prと思うし、BSD放送そのものの色がどちらでデコードしても無難な色になるようになってるので今一信用なりません。iLINKでPCへキャプチャして調べようかと考えましたが、絶対コピー禁止フラグが立ってるのか、ダビングはおろか、D-VHSデッキに移動すら出来ません。(コピー禁止でもHDDには録画出来てるのがepの面白い所) うーむ。
他に何かいいものは・・・そういえばあったな、家に。業務用機材が。
ReelTime。
こいつはいろんなタイプのカラーバーを出力できます。曲がりなりにも映像用業務用機器だし。
うむ。コレで行ってみようか。
個人的にはカラーバーを出力する設定が、ReelTimeの汎用出力設定についていて、数値を弄ると色がかわったりするので非常に不安なのですが、
デフォルトの設定で正しく出力する調整になってる(だろう)と無理やり自分を納得させて使う事にしました。
大前提として、これを信用する事にします。
カラーバーはReelTimeから出力したfull_SMPTE_barsです。
出力設定はデフォルト、NTSC、0 IREという選択です。
うーん、SAA7130-TVPCはNTSC-M(-Jにならん)ですが、0 IREでカラーバーを出力してます。それで良いのかは専門家じゃないのでわかりません。
SAA7130-TVPCIの設定は、NTSC-M、劣化テープの誤認識回避の為(・・・・・・・)Gain autoは1になってます。
フォーマットはYUY2、コーデックは自分がメインで使うhuffyuv(YUY2)でキャプチャしました。
RGBの無圧縮でやるほうが良いかもしれませんが、自分がキャプチャする時に使わないので。
とりあえず、デフォルトで取り込んでみました。
隣接する色の境界が滲んでますが、これはもともとこんな感じで出力されてるからです。
デフォルト |
ヒストグラム |
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+5%輝度が判別できません。もろに潰れてます。 |
ヒストグラムを見ただけで駄目駄目な感じ |
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SAA7130の色範囲が16〜235なので、補助線をCCIR601用にチェックを付けて見ていきます。 詳しい解説は本家本元のGNBの館さんを見てください。 ちなみにこれは色ベクトルを見てます。輝度を調整する時は三段目のバーにY値を合わせて、色ベクトル表示のチェックを外します。 SAA7130は9bit精度ですが、MPEG-2のデフォルトの精度は8bitなので今回、それに合わせてみます。 |
色ベクトル表示 |
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色合い 意外にマトモですね。若干緑成分が濃く出てます。 |
輝度 |
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色合いはまともでしたが、白がとび気味で黒が完璧に潰れてます。 |
PCスケール補正 |
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ズバババーンと黒が潰れます。白も飛んでますね。 |
と、いうわけで、一応色はマトモですが白飛び黒潰れが激しく使い物になりません。
GNBさんの解説に従い、キャプチャの設定を練りこんでいきます。
とりあず、輝度から調整していきました。いきなりですが、輝度(Brightness)139、コントラスト(Contrast)57で見ていきます。
輝度(Brightness)139 コントラスト(Contrast)57 |
ヒストグラム |
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ReelTimeは、-5%輝度は発生出来ません。出力フォーマットがMPEG-2ではなくMJPEGだからです。 |
デフォルトよりはマシですが、まだ色がバラついてます。 |
輝度 |
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ちょっと黒が浮き気味ですが、だいたいこんな感じで良いと思われます。 明るさを138にしたパターンも試しましたが、今度は逆に白が真っ白になりません。 後々補正したら139の方が良い結果になったので139でいきます。あんまりかわらんけど。 |
PCスケール補正 |
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致命的な問題・・・は無い事にしておきます。 |
色ベクトル表示 |
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明らかに濃くなってますね。 なるほど、輝度範囲を揃えるだけでは駄目という事がわかります。 自分は明るさとコントラストの調整だけしてキャプチャしてましたが、それだと、どうも彩度が高くなるなぁ、という感じがしてました。 どうやら気のせいではなかったようです。 |
色の彩度以外、問題ないです。
キャプチャ後にCCIR601範囲との誤差を理解して補正する事が可能ならば、この設定が最も色情報の損失が少ないです。
今度もGNBさんの解説に従い、彩度(Saturation)を調整していきます。
59にしてみます。
輝度(Brightness)139 コントラスト(Contrast)57 彩度(Saturation)59 |
ヒストグラム |
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これだけを見ても差はわからん。 |
これはかなりいけてます。が、完璧ではないです。 |
輝度 |
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許容範囲でしょう。特に問題なし。 |
PCスケール補正 |
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これも特に問題なし。 |
色ベクトル表示 |
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うむ。ほぼ完璧かな。緑系がちょっと彩度高め目です。これはヒストグラムを見た通りですね。 |
PCスケール補正 CCIR601用のチェックは外してます。 |
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白は揃ってますが、グレイがやや※1緑ぽくなってます。 ※2 PCスケール補正をかけると微妙に色の位置が変化してます。これはAviUtlのPCスケール補正での演算誤差なのか、CCIR601用チェックでの誤差なのか、ReelTimeが信用できないのか、huffyuvの圧縮が信用できないのか、huffyuv.dllのYUY2展開精度が信用できないのか、SAA7130のA/D精度がそういうものなのか、不明です。 ※1 これはSAA7130-TVPCIの特性でした。 ※2 赤、マゼンダ、青に到達してないのはPCスケール補正のみでは彩度が補完しきれてないからみたいです。 |
と、いう感じです。
輝度(Brightness)139 コントラスト(Contrast)57 彩度(Saturation)59 という設定で問題なさそうです。
後で微妙な色補正をしないなら輝度(Brightness)は138にしたほうが良いでしょう。
緑が強いので色補正をしてみます。
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緑の成分を赤と青に近くなる位置に持ってきます。 自分が動画作成記の所で、白を真っ白にするとか、黒を真っ黒にするとか書いてるのは、真っ白と思えるシーンや真っ黒と思えるシーン(後、グレーとかも)のヒストグラムを見て赤、緑、青の位置を揃えるという事です。 色を弄ってもこの事を頭に入れて補正していくと色のバランスを見失う事が少なく、しっかりとした補正が行えます。 だから、白と黒(グレーも)は最重要!!少なくとも自分にとっては。 そういうシーンが無い時は辛いですな。微妙に白に色がついてたり、黒が実は濃い青だった、なんて場合も。 |
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単純に緑だけ調整してます。細かく弄ればもっと良くなりますが、これで必要十分ではないかと。 |
輝度 |
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緑を調整した事により、輝度がピタリと納まってくれました。 |
PCスケール補正 |
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調整してない時より良くなってます。しかし、真っ白の左右の色の輝度が揃ってないのが不満といえば不満です。 |
色ベクトル表示 |
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うむ。いけてるのではと。 |
PCスケールをかけてみます。
PCスケール補正 PCスケール補正→拡張色調補正 |
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補正前より良くなってるような気がします。 しかし、ココで、AviUtl0.98dのPCスケール補正は、拡張色調補正の1番最初にかかるのというのが問題になります。 ヒストグラムがやや崩れてしまいます。 |
とりあえず、緑を調整した後にPCスケール補正がかかるようにしてみます。
PCスケール補正 拡張色調補正→PCスケール補正 |
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PCスケール補正が緑を補正した後にかかるようにします。 無理やりですが、一旦、緑を補正したものをプロジェクトで保存し、『開く』でファイルとして読み込ませます。 微妙ですが、良くなってます。 |
0〜255 最終的なカラーバー |
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いけてますでしょうか?素人なのでさっぱりです。 |
こんな感じできっちり調整してキャプチャした場合のメリットはDVDやVCD、SVCD、※D-VHS用のMPEG-2にエンコードする時、色の補正を(ほぼ)しなくても良い、という所です。
ただし、PCスケール補正、もしくはTMPGEncの『YUVデーターをCCIR601ではなくて、basic、YcbCrで出力する』にチェック、は必須です。
TV視聴用のDVD等のMPEG-2としてエンコードするならTMPGEncの『YUVデーターをCCIR601ではなくて、basic、YcbCrで出力する』にチェックのほうが良いかも。
※D-VHSは保留
エンコードしてDVDプレイヤーで再生させると、だいたいソースを生でTVで見た雰囲気の色になります。
厳密には、NTSC-M-Jでキャプチャしてない(出来ない)ので完璧じゃないと思いますが、とりあえず、これでも違和感は無いですね。
一応、業務用機器から直接出力した正確な(と思われる)カラーバーを使っての調整なので、この手順で補正すると、出力したソースそのままの色が得られます。
深夜放送で流れているカラーバーを使って調整すると、出力側の機器の癖を矯正した事になり、放送局側が表現したい色になります。
たぶん。
このあたりの事に詳しい方の突っ込み希望です。
そうそう、PC用の色補正はこの時点では行ってませんので色あせて見えてると思います。
自分的に超重要な白と黒を調整するって事をココで書いたので、9割は説明終わってますけど。
02/11/10追記
輝度(Brightness)139(138) コントラスト(Contrast)57 彩度(Saturation)59
でキャプチャされた場合でPC用の色補正する場合。
AviUtl0.98d
Y/C伸張フィルタ
Y(lower)16 Y(upper)16 cb 79〜 cr 79〜
に設定
拡張色調補正
Y(off)
で、白飛び、黒潰れの調整
色調補正
色合い (とりあえず–40程度から)
で、色相の補正
これで、どんな感じですか。
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